中国石油天然気(ペトロチャイナ:0857)と中国海洋石油(CNOOC:0883)を調査してみた。①

毎日更新をしようと思っていたが、中々難しいものだと実感。。

 

今回はタイトルの通り、中国大手石油企業を調査してみました。

中国石油化工(シノペック:0028)も併せて見てみようと考えていましたが、なぜかHPにアクセスできず断念。。

 

早速結論から入りますが、全体的に過大評価がされているなと感じています。

コロナ影響で直近1か月程で大きく下がっておりますが、これでも割高。

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香港ハンセン

早速詳細を見ていきます。

 

中国石油天然気(ペトロチャイナ:0857)

この企業は、1999年に中国石油天然気集団公司の採算性の高い部門を民営化したことによって創業しています。

主に、『探鉱・開発』により、『石油・天然ガス』の『生産・販売』をしている企業です。

「ペトロチャイナ」の画像検索結果

 

原油の国内生産割合が全体の約83%

天然ガスの国内生産割合が全体の約92%

と、比較的中国国内に生産量が依存している印象。

 

売上高で会社規模を比較してみると世界の石油企業の中でもトップ3に入ることがわかると思います。

規模が大きすぎて、すごさが分かりづらい。。

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さて、ここから気になるポイントをいくつか挙げていきます。

 

①投下資本バランスが悪く、EVA(経済的付加価値)がマイナス続き

 

②①要因もあり、配当性向割合が高い

 

③設備投資が効率的ではなくなっている可能性がある。

 

 

①から順番に進めていきます。

投下資本バランスが悪く、EVA(経済的付加価値)がマイナス続き

 ペトロチャイナは株主資本が高いことが見受けられます。

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2019年中期報告書によると、

有利子負債:444,694(百万元)=6兆6690億(JPY)

株主資本:1,425,835(百万元)=21兆3870億(JPY)

となっています。

 

一般的な感覚で言えば、

借金が少ない=倒産リスクが小さい=良い企業!!

となりそうですが、投資家としては他の見方もあります。

 

勝手に貼っていいものか分からないですが、この動画が非常に分かりやすく説明をしてくれていますので、ご参考ください。

お金の出し手による期待収益率は

株主>債権者

となる訳ですから、株主資本比率が高いペトロチャイナは必然的にWACC(加重平均資本コスト)が高くなります。

WACCが高いこと自体は悪い訳ではないですが、その分利益を生み出さねばなりません。

 

NOPATは毎年9,000億円近く出ていますが、EVAを見ると連続でマイナスになっていることが見受けられます。

これは実際に費用が出ている訳ではないですが、投資評価をする観点ではあまり良い状態ではありません。

ここまで書いて気付きましたが、ペトロチャイナの大株主は親会社が80%近く持っている為、WACC算出時に通常算出のCAPMを掛けてはいけなかったかもしれません。。

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さて、次に行きましょう。

 

②①要因もあり、配当性向割合が高い

ペトロチャイナは利益の約45%を配当としています。

配当自体は悪ではないですが、自社株買いや設備投資と異なり企業成長に活きない手段だと思っています。

個人的には自社株買いをし、株主価値を高める手段が好きです。

 

さて次です。買わない企業なのでぱっぱといきます。

 

③設備投資が効率的ではなくなっている可能性がある。

 

要点だけまとめると

・設備投資額が年々増えている。

・設備投資の内、75%を探査・生産に使っている。

原油天然ガスの埋蔵量が横ばいor減少

 

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未来の原油天然ガスの先行きは僕には分かりませんが、

過去の実績を見る限り、設備投資効率は落ちてきているといっても良いと思います。

 

長くなりましたが、今回は上記理由による懸念と株主価値算出で割高だった為、購入は見送りとします。

実際の一株当たりの株主価値は株価の約5分の1ほどです。(03/22現在)

 

配当株としては良いのかな??

配当利回りでは約8%程なので!!

 

ではまた!