中国石油天然気(ペトロチャイナ:0857)と中国海洋石油(CNOOC:0883)を調査してみた。②
徐々に更新頻度を上げていきます!
アウトプットが大事!!
さて、今回は前回のペトロチャイナに続き、中国海洋石油(CNOCC/シノック:0833)の調査になります。
個人的には米国株が非常に割安フェーズに入りつつあるので、中国海洋石油なんて(失礼ですね。。)見ている場合ではないのですが、前回記事で書くと言ってしまったのでぱぱっとまとめたいと思います。
中国海洋石油(シノック)の事業内容としては、ペトロチャイナと似たものになります。
大きく分けると部門は4つに分かれ、
・石油とガスの探査と開発
・エンジニアリングと技術サービス
・精製とマーケティング
・天然ガスおよび発電
となりますが、HPから引用した堅苦しい言葉なので、簡単に一言でまとめると
『石油と天然ガスを掘り出し、toB・toCに販売をしている会社』です。
シンプルにまとめすぎですかね!
バフェットは、誰でも事業内容が理解できる会社に投資すべきと言っているので、この点はクリアと言っていいでしょう。
いつも通り売上高と営業利益から見ていきましょう。
2015年と2016年を除き、堅調に成長していることが見受けられます。
売上規模としては約2300億元/年(3.5兆円)ほど
これまた大きな会社です。
2015年・2016年と大きく下がっているのが気になるので、詳しく見ていきましょう。
先に結論をお伝えすると、原油価格の低下が要因となります。
石油・天然ガスの売上は中国石油全体売上の約80%を占めていますが、
その石油&天然ガス総売上が2015年に前年比67%となっています。
総生産量は下がっておらず、むしろ増えています。
これですね。石油価格が2015年に大きく落ち込んでいます。
これを踏まえると、良い意味・悪い意味のどちらも当てはまりますが、
原油価格に大きく売上が変動されるということが分かります。
2020年3月時点で原油価格は暴落しています。
健康企業であれば、割安評価になるタイミングといえるでしょう!
さて、会社の表面的な評価はここまでにして、本題の企業価値評価に入りたいと思います。
売上がいくらで利益がどうで、というのは分かりづらいので
今回も
『WACC』と『ROIC』
この2つの指標を使って、評価をしたいと思います。
以前の記事でも書きましたが、
『ROIC』というのは『Return on Invested Capital』の頭文字をとっています。
日本語にすると『投下資本利益率』といい、
税引き後営業利益(いわゆるNOPAT)を投下資本で割ったものになります。
※投下資本とは、有利子負債(Debt)&株主資本(Equity)
これによって、投下資本がどれぐらいの効率で運用できているかどうかを見ることができます。
但し、これだけではあまり意味をなさず、『WACC』と合わせて見ることで
初めて意味のある指標となってきます。
『WACC』も、おさらいとして書いておくと、投下資本には必ずといっていいほどコストがかかってきます。
経営者側(お金を出してもらう)からすると:コスト
投資家・債権者側(お金を出す)からすると:リターンとなります。
=コストをリターンが上回らないといけない訳です。
もっとかみ砕いて書くと
・Aさんは100万円を元手にビジネスを始めました。
・この100万円には年20万円の支払いが必要になります。
・Aさんは結局年10万円しか稼げませんでした。
=年10万円のマイナス
となりますよね!!こんな結果が続いているビジネスはだれも欲しくない訳です。
やっとのやっとで本題になりますが、
中国海洋石油は連続的に『ROIC』が『WACC』を下回っています。
この時点で投資対象からは外れることになります。
※成長枠・ベンチャー等は分かりますが、何十年も続いている大企業となると×
ざっくり判断になっていしまいますが、
WACC>ROICが、原油価格とリンクしているとなると、
今後厳しい戦いとなる見通しがたちます。
なので今回は購入はしない決定をしました。
次回、バフェットも買い増しをした『デルタ航空:DAL』の調査報告をします!
非常に良い結果となり、私も購入しました。お楽しみに!
ではまた!